義肢装具士法の定義

(定義)
第2条 この法律で「義肢」とは、上肢又は下肢の全部又は一部に欠損のある者に装着して、その欠損を補てんし、又はそ
  の欠損により失われた機能を代替するための器具器械をいう。
2 この法律で「装具」とは、上肢若しくは下肢の全部若しくは一部又は体幹の機能に障害のある者に装着して、当該機
  能を回復させ、若しくはその低下を抑制し、又は当該機能を補完するための器具器械をいう。
3 この法律で「義肢装具士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、義肢装具士の名称を用いて、医師の指示の下に、義肢
  及び装具の装着部位の採型並びに義肢及び装具の製作及び身体への適合(以下「義肢装具の製作適合等」という。)を行うことを業とする者をいう。

資格の解説

医師の指示のもとに、義肢や装具の装着部位の採型、製作、身体への適合を行う専門職である。
なお、「義肢装具士」となるには試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

関連団体の紹介

一般社団法人日本義肢協会
約300社の義肢・装具製作所が加入し、全国の義肢装具製作事業所と密接な連携をはかり、地域差の少ない義肢装具を提供できる環境整備に努めている団体。

公益社団法人日本義肢装具士協会
義肢装具士の資質の向上及び知識・技術の研鑽に努めると共に、義肢装具をはじめとした福祉用具の普及・発展を図り、国民の保健・医療・福祉に寄与することを目的とした国内唯一の義肢装具士の職能団体。

標準的な設備等
『「義肢、装具及び座位保持装置等に係る補装具費支給事務取扱要領」の制定等について』から一部抜粋

 障害者総合支援法施行に伴い、補装具の給付制度は個別の障害に応じ、かつ、品質面においても、一定の水準を保った補装具の給付が保障されなければならない。
 そのため、市町村が適切な補装具製作業者を利用者に情報提供する際には、補装具製作業者の登録基準を参考にし、業者の有する設備、技術等を十分に把握のうえ業者の選定を行い、また、業者の経歴や実績等、安定かつ、継続的に製作、修理及び販売等を行うことが可能であるか等について留意することが必要である。
 なお、義肢及び装具に係る補装具製作業者の選定に当っては、特殊な義足ソケットの採型等については複数の義肢装具士が必要なことから、当該事業者についても複数の義肢装具士を配置していうることが望ましい。
 補装具製作を行ううえで、標準的な設備の条件は、以下のとおりである。

(参考)殻構造義肢の基本工作法から考えられる必要な設備等
 殻構造義肢の基本工作法における各工程に係る作業内容を遂行するために必要となる、標準的な設備等については、以下を参照すること。

工程 作業の内容 設備
(ア)断端の観察 断端の表面の状況(筋収縮時と弛緩時の形状変化、知覚の状況等)、関節の運動機能の状況(屈伸、内転、外転等の関節可動域や筋力等)並びに肢位の観察及び特徴の把握。
(イ)採寸及び投影図の作成 製作に必要な寸法(断端の周径、断端長)及び角度を測定及び情報カードへの記録と投影図の作成。(トレースのほか前後左右からの写真撮影による断端形状の正確な把握も必要。)
(ウ)採型 ギプス包帯法による断端の採型及び陰性モデルの順型(石膏の盛り削り修正)、陽性モデルの注型及び取出し並びに陽性モデルの修正。 ※ 断端の採型に当たっては、良肢位を保つため採型冶具や補助具を用いる場合がある。また、断端の正確な形状を得るため場合によっては複数の義肢装具士が行う必要がある。
(エ)適合のチェック チェックソケットの製作、チェックソケットによる適合のチェック(断端の筋、軟部組織の状態、体重支持、疼痛の有無、関節可動域、トリミングライン等)及び修正、継手の中心位置の設定。 真空成型機
カービングマシーン
電気オーブン
(オ)陽性モデルの製作 チェックソケットへのギプスの注型、陽性モデルの修正、表面の仕上げ及び乾燥。
(カ)ソケット製作 陽性モデルへのストッキネットの被覆、強化材の付加、PVAスリーブの被覆、樹脂の注型、取外し及びソケットトリミング。 ※ ソケット構造によっては、完成用部品のコネクタ等支持部材を組み込み注型を行う。この際、強度を確保するために、アライメント復元冶具を用いて位置設定を行う。 真空ポンプ
(キ)支持部材の外形の形成及び要素の結合 義手:パラフィン、プラステックフォームギプス等による支持部心材外形の形成及び要素の結合。
義足:股継手、膝継手、足部等の機能部品の支持部材による結合及び足部の調整。
カービングマシーン
(ク)組立て 義手:継手等各部の組み合わせ及び結合、ハーネスの取付け。
足部:アライメントの取付け、ベンチアライメントの設定、各部の組み合わせ及び結合、懸垂装置の取付け並びに角度調節。
ミシン
(ケ)仮合せ 義手:ソケットトリミングの修正、ハーネスの調整及び機能の点検、義手操作の基本指導並びに適合の修正。
義足:アライメントの修正、適合の点検及び修正、各部の機能の点検並びに起立及び歩行の基本動作の指導。
※ 義肢部品等の名称と機能の説明及びソケット等の装着方法の指導、留意事項の説明。
※ スタティックアライメントの調整の後、安定した歩行を得るためダイナミックアライメントを決定する。
(コ)外装及び仕上げ 義手:外形の研削、ストッキネットの被覆及びラミネーション。
義足:カップリングの取外し、外形の形成、内部余肉の除去、外装並びにソケットの適合及び機能の最終点検。
(サ)適合検査 適合及びアライメントの点検並びにユーザに対する義肢の取扱い方法の説明やメンテナンス、断端の衛生管理等の指導。
※ 関連業務 ・義肢の製作に必要な個人情報(氏名、年齢、職業、家族構成、身体状況、住宅環境、生活様式、ユーザの希望、連携可能な関係医療機関等)の収集、情報カードへの記載、保管、管理業務。
・初期段階で、ユーザに義肢を装着するまでの流れについて説明する。
・処方医と連携し、最適な部品等の選択を行う。
・義肢の引渡し後も、定期的なチェックを行うことが望ましいことをユーザにご理解いただく。

 製作所には、事務室、工作室等が必要であり、設備を配置した上で十分に動ける面積があること。具体例としては、以下に示す「(参考)義肢製作所の面積例」を参照すること。(「2骨格構造義肢」、「3装具」についても、これを参照すること。)  設備欄に掲げる設備のほか、必要な工具等(例:復元器、コンターマシン、集塵器、ボール盤、グラインダー、バフグラインダー、溶接器、電動ドリル、パイプカッター、万力、八方ミシン、特殊ミシン、内周計、カップリング、ヒートガン等)を備えていること。(「2骨格構造義肢」、「3装具」についても、これを参照すること。)

(参考)義肢製作所の面積例

室名等 面積(坪数) 備考
事務室
採型室
工作室
 ギプス作業室
機械室
一般組立室
倉庫
16.5u
16.5u
 
9.9 u
9.9 u
19.8 u
9.9 u
5坪
5坪
 
3坪
3坪
6坪
3坪
受付、一般事務、待合室
測定、仮合せ、試歩行
 
型流し、陽性モデル修正
集塵設備
作業台2台(義肢装具士2名以上)
材料保管

(参考)義肢の基本工作法から考えられる必要な設備等
 骨格構造義肢の基本工作法における各工程に係る作業内容を遂行するために必要となる、標準的な設備等については、以下を参照すること。

工程 作業の内容 設備
(ア)断端の観察 断端の表面の状況(筋収縮時と弛緩時の形状変化、知覚の状況等)、関節の運動機能の状況(屈伸、内転、外転等の関節可動域や筋力等)並びに肢位の観察及び特徴の把握。
(イ)採寸及び投影図の作成 製作に必要な寸法(断端の周径、断端長)及び角度を測定及び情報カードへの記録と投影図の作成。(トレースのほか前後左右からの写真撮影による断端形状の正確な把握も必要。)
(ウ)採型 ギプス包帯法による断端の採型及び陰性モデルの順型(石膏の盛り削り修正)、陽性モデルの注型及び取出し並びに陽性モデルの修正。 ※ 断端の採型に当たっては、良肢位を保つため採型冶具や補助具を用いる場合がある。また、断端の正確な形状を得るため場合によっては複数の義肢装具士が行う必要がある。
(エ)適合のチェック チェックソケットの製作、チェックソケットによる適合のチェック(断端の筋、軟部組織の状態、体重支持、疼痛の有無、関節可動域、トリミングライン等)及び修正、継手の中心位置の設定。 真空成型機
カービングマシーン
電気オーブン
(オ)陽性モデルの製作 チェックソケットへのギプスの注型、陽性モデルの修正、表面の仕上げ及び乾燥。
(カ)ソケット製作 陽性モデルへのストッキネットの被覆、強化材の付加、PVAバックの被覆、樹脂の注型、取外し及びソケットトリミング。 ※ ソケット構造によっては、完成用部品のコネクタ等支持部材を組み込み注型を行う。この際、強度を確保するために、アライメント復元冶具を用いて位置設定を行う。 真空ポンプ
(キ)支持部材の外形の形成及び要素の結合 義手:パラフィン、プラスチックフォームギプス等による支持部心材外形の形成及び要素の結合。
義足:股継手、膝継手、足部等の機能部品の支持部材による結合及び足部の調整。
カービングマシーン
(ク)組立て 義手:継手等各部の組み合わせ及び結合、ハーネスの取付け。
足部:カップリングの取付け、ベンチアライメントの設定、各部の組み合わせ及び結合、懸垂装置の取付け並びに角度調節。
ミシン
(ケ)仮合せ 義手:ソケットトリミングの修正、ハーネスの調整及び機能の点検、義手操作の基本指導並びに適合の修正。
義足:アライメントの修正、適合の点検及び修正、各部の機能の点検並びに起立及び歩行の基本動作の指導。
※ 義肢部品等の名称と機能の説明及びソケット等の装着方法の指導、留意事項の説明。
※ スタティックアライメントの調整の後、安定した歩行を得るためダイナミックアライメントを決定する。
(コ)外装及び仕上げ 義手:フォームカバーの穴堀及び外形の研削、ストッキネットの被覆。
義足:カップリングの取外し、外形の形成、内部余肉の除去、外装並びにソケットの適合及び機能の最終点検。
カービングマシーン
(サ)適合検査 適合及びアライメントの点検並びにユーザに対する義肢の取扱い方法の説明やメンテナンス、断端の衛生管理等の指導。
※ 関連業務 ・義肢の製作に必要な個人情報(氏名、年齢、職業、家族構成、身体状況、住宅環境、生活様式、ユーザの希望、連携可能な関係医療機関等)の収集、情報カードへの記載、保管、管理業務。
・初期段階で、ユーザに義肢を装着するまでの流れについて説明する。
・処方医と連携し、最適な部品等の選択を行う。
・義肢の引渡し後も、定期的なチェックを行うことが望ましいことをユーザにご理解いただく。

(参考)装具の基本工作法から考えられる必要な設備等
 装具の基本工作法における各工程に係る作業内容を遂行するために必要となる、標準的な設備等については、以下を参照すること。
(1)靴型装具以外の装具

工程 作業の内容 設備
(ア)患肢及び患部の観察 患部の表面の状況(知覚の状況等)、関節の運動機能の状況(屈伸、内転、外転等の関節可動域や筋力等)並びに肢位の観察及び特徴の把握。
(イ)採寸及び投影図の作成 製作に必要な寸法(周径、長さ) 及び角度の測定及び情報カードへの記録と投影図の作成。(トレースのほか前後左右からの写真撮影による患肢形状の正確な把握も必要。)
(ウ)採型 ギプス包帯法による採型及び陰性モデルの順型。
※ 採型に当たっては、最適な肢位を保持する。
(エ)陽性モデルの製作 陰性モデルへのギプス泥の注型、陽性モデルの修正( 石膏の盛り削り修正)、表面の仕上げ及び乾燥。
(オ)組立て 陽性モデルにデザイン(継手、支柱、半月の位置、外形ライン)の記入。アライメントの確認。
フレーム:曲げ加工、組み立て及び調整。
モールド:プラスチック板切断、加熱成形加工、トリミング。調整筋金、締め革、足部覆い、足底板、ネックリング、パッド、ベルト等の板止め及び各部の結合。
カービングマシーン
ボール盤(又はハンドドリル)
ミシン
電気オーブン(又はガスバーナー)
(カ)仮合わせ(中間適合検査) 筋金、締め革、足部覆い、足底板、ネックリング、パッド、ベルト等の調整、継手等各部品の位置、角度の調整、アライメントの調整、試し使用及び仕上げ。
(キ)仕上げ 筋金、締め革、足部覆い、足底板、ネックリング、パッド、ベルト等の付属品の取付け及び仕上げ。 カービングマシーン
ボール盤(又はハンドドリル)
ミシン
(ク)適合検査 装具の適合の最終検査並びに装着及び使用による機能の最終検査。
※ ユーザに対する装具の取扱い方法の説明やメンテナンス、装着部の衛生管理等の指導。
※ 関連業務 ・装具の製作に必要な個人情報(氏名、年齢、職業、家族構成、身体状況、住宅環境、生活様式、ユーザの希望、連携可能な関係医療機関等)の収集、情報カードへの記載、保管、管理業務。
・初期段階で、ユーザに装具を装着するまでの流れについて説明する。
・処方医と連携し、最適な部品等の選択を行う。
・装具の引渡し後も、定期的なチェックを行うことが望ましいことをユーザにご理解いただく。

(2)靴型装具

工程 作業の内容 設備
(ア)患肢及び患部の観察 患部の表面の状況(知覚の状況等)、関節の運動機能の状況(屈伸、内転、外転等の関節可動域や筋力等)並びに肢位の観察及び特徴の把握。
(イ)採寸及び投影図 の作成 製作に必要な寸法(周径、長さ)及び角度の測定及び情報カードへの記録と投影図の作成。(トレースのほか前後左右からの写真撮影による患肢形状の正確な把握も必要。)
(ウ)採型・採寸 ギプス包帯法による採型及び陰性モデルの順型。
※ 採型に当たっては、最適な肢位を保持する。
(エ)陽性モデルの製作(木型) 陰性モデルへのギプス泥の注型、陽性モデルの修正(石膏の盛り削り修正)、表面の仕上げ及び乾燥。
(オ)足底板の製作 ベルトサンダー
(カ)アッパーの製作 ミシン
(キ)吊り込み
(ク)底付け ベルトサンダー
(ケ)仕上げ
(コ)適合検査 装具の適合の最終検査並びに装着及び使用による機能の最終検査。
※ ユーザに対する装具の取扱い方法の説明やメンテナンス、装着部の衛生管理等の指導。
※ 関連業務 ・装具の製作に必要な個人情報(氏名、年齢、職業、家族構成、身体状況、住宅環境、生活様式、ユーザの希望、連携可能な関係医療機関等)の収集、情報カードへの記載、保管、管理業務。
・初期段階で、ユーザに装具を装着するまでの流れについて説明する。
・処方医と連携し、最適な部品等の選択を行う。
・装具の引渡し後も、定期的なチェックを行うことが望ましいことをユーザにご理解いただく。

(参考)座位保持装置の基本工作法から考えられる必要な設備等
 座位保持装置の基本工作法における各工程に係る作業内容を遂行するために必要となる、標準的な設備等については、以下を参照すること。

工程 作業の内容 設備
(ア)身体状況の観察と評価 身体変形の状況及び痙直、緊張、不随意運動等の観察並びにこれらの特徴の把握並びに姿勢の決定及び使用目的の確認。
(イ)採寸 製作に必要な寸法及び角度の測定並びに情報カードへの記録。
(ウ)採型 採型器による陽性モデル又はギプス包帯法による陰性モデルの採型。 採型器
(エ)設計図の作成 製作に必要な設計図の作成。
(オ)陽性モデルの製作・修正 陰性モデルへのギプスの注型並びに支持部の製作に必要な陰性モデルの製作、修正、表面の仕上げ。
(カ)加工・組立て 陽性モデル及び設計図に基づく加工並びに組立て。
(キ)仮合せ(中間適合検査) 身体への適合並びに装置の各機能の検査及び修正。
(ク)仕上げ 各部品の取付け及び仕上げ等。 ミシン
(ケ)適合検査 最終的な身体への適合及び装置の各機能の検査。
※ ユーザに対する座位保持装置の取扱い方法の説明やメンテナンス、接触面の衛生管理等の指導。
※ 関連業務 ・装具の製作に必要な個人情報(氏名、年齢、職業、家族構成、身体状況、住宅環境、生活様式、ユーザの希望、連携可能な関係医療機関等)の収集、情報カードへの記載、保管、管理業務。
・初期段階で、ユーザが座位保持装置を入手するまでの流れについて説明する。
・処方医と連携し、最適な部品等の選択を行う。
・座位保持装置の引渡し後も、定期的なチェックを行うことが望ましいことをユーザにご理解いただく。

※ 事務室、工作室が必要であり、設備を配置した上で十分に動ける面積(例:6坪以上)があること。
※ 設備欄に掲げる設備のほか、必要な工具等(例:ボール盤、ジグソー、エアコンプレッサー、電動ドリル、万力、ハンドリベッター、トルクレンチ、パイプカッター、ノギス、ウレタンカッター、ディスクグラインダー等)を備えていること。